横浜からの帰り道、とてつもない衝動が哲を襲った。「そーだ、ソープへ行こう。」生まれて初めての高級ソープだ。どんなもてなしが待っているのか、期待感を抱き、京急線で川崎に向かう。午後0時までの入店は割引の幅が大きかったのだが、列車事故に巻き込まれ、結局、0時には間に合わなかった。だが、ここまで来たら下半身の欲望を抑えることができず、一度は行ってみたいというふわふわした気持ちで向かった先は川崎ソープランド「LUXURY(ラグジュアリ)」
京急川崎駅を降りて歩いて堀ノ内に向かうと夜はともかく、とても廃れているように見えた。古ぼけた建物が集まる中、きれいな外観をした店が「ラグジュアリ」だった。そのまま迷わず入店。
自動ドアが開くと3人の男性店員が出迎える。彼らに予約がないことを伝えると写真見学の為に奥へと導かれる。5人の女性の写真を提示されるが、これといった魅力的な女性は見当たらない。もちろん全員若く悪い印象もないのだが、初の高級ソープということで必要以上の期待感があったのかもしれない。そのため、いつもより厳しい評価になってしまう。だがここまで来て欲望を抑えられるはずもなく、オープンスタイルを希望し、総額66150円を払う。5人の女性が自己紹介をしながら片膝をついて挨拶する。接客業らしいさわやかな笑顔の女性が2人と流すようなさっぱりとした事務的な態度の女性が3人。その中から素敵な笑顔を振りまいてくれた女性と冷たい視線だった女性の2人で迷う。店員に性格やプレイの力量や人気などいろいろ意見を尋ねるが、「どちらもいい娘ですから」となんとも的を射ない返答。結局、冷めた視線をした女性「まどか」を指名し、部屋での変化に期待する。彼女に決めた後、写真週刊誌を読みながら案内を待つ。だが、この間の店員たちの行動はさっきまでの紳士的な態度が一転する。客の前での私語、アクビ、中にはサンダル履きでお茶を飲んでいる者もいる。プロ意識は全く感じられないが、「世の中こんなものなのだろう」と思っているところへ案内となった。
2階の部屋に案内され、床が大理石風に、テレビも世界の亀山モデルだ。風呂は変な形のジャグジーで高級感のある部屋だ。 まどかは改めて「こんにちは、ご指名ありがとうございます」と丁寧な挨拶してくる。そこからは自分の生い立ち、店への愚痴、何故自分はいくら頑張っても指名が取れないのかなどの話をえんえんと聞かされる。聞いていて呆れるので、プレイに移行しようとするも、いっこうに脱ぐ気配もない。仕方ないので哲は自分で脱ぎ始るものの、それでも彼女は身の上話は止めない。入室後20分ぐらいで待合室に書いた事前アンケートを読み上げると、ようやく彼女は服を脱ぎベッドに横たわる。まどかはまったく動く気がない。マグロをはるかに越えた単に開いているアワビだ。ムードのかけらもなく、さっきまでの性欲がうそのように一気に引いていく。イクはずもなく無言のままベッドから浴室へ移動。もちろん混浴もなく、彼女は事務的にマットの準備。どうやらマットの技は持っているようだ。多少気持ち良かったものの、すでに心が離れすぎていたためイク気配は全くない。最終的には手コキで強引に終了させられる。「なぜソープまで来て手コキなんだ」と心の中で叫ぶ。
その後も、心の距離が近づくことなく、部屋を出る。この際に隣の部屋からもれるプレイ中の他の姫の声が妙にうらやましく、「指名する前の時間までお願いだから戻してくれ」と願っている哲がそこにはいた。今年最高の後悔だ。